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 日本経済新聞で、コラム掲載です。
 「そこそこ知っているからこそ、だまされてしまう」というお話です。
例に、ワイスバーグの2008年の論文、"The Seductive Allure of Neuroscience Explanations"をネタにしました。

 脳神経科学に関して「知識がない一般人」「入門の授業を受講中の学生」「学位取得した専門家」の3つのグループに分けて課題を出す。心理学的な現象に対して「脳神経科学の説明がついているか否か」で、判断が惑わされるかどうかを調べたところ、「入門の授業を受講中の学生」が最も混乱したという実験結果です。

 「脳神経科学っぽいもっともらしい説明」に惑わされるのは、知識のない一般人かと思うのでしょうが、実際は「初学者」であったと。詳しい日本語の説明は、こちらの本の第14章をご覧下さい。

 

脳神経科学リテラシー

脳神経科学リテラシー

  • 作者: 中澤栄輔,鈴木貴之,立花幸司,植原亮,永岑光恵,信原幸弘,原塑,山本愛実
  • 出版社/メーカー: 勁草書房
  • 発売日: 2010/10/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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  研究不正には「さすがに思いつかなかったけど、もしかしたらあり得るかも!」と希望を持たせるような、うまいところを突いてくる「ストーリー」が多い(昨年の記憶が新しい、STAP騒動しかり、ヘンドリック・シェーンの高温超伝導の話しかり)。素人だけでもなく、初学者だけでもなく、専門家まで目がくらんでしまうのは、「あったら良いな」的な話を構成しているからではないか、と思ってしまう。

 多少知っているからこそ、信じてしまいやすい案件は多いと思う。自分は見る目があるから大丈夫、だまされるわけがない、とか考えず、何事も心してかかったほうがいいかも、と気を引き締めようと思います。